経営者のための法律の知識
経営者には幅広い法律の知識が必要です。最低限以下の16種の法律の基礎知識は抑えておくようにしましょう。
- 税法 → 法人税の支払いルールなど
- 民法 → 法令違反すると顧客から訴えられる恐れがある
- 著作権法 → 商標、音楽、イラストなどの使用に注意
- 景品表示法 → SNSの普及で景品表示法違反の指摘リスクが増加中
- 労働基準法 → 従業員の勤務状況を管理しないと指導される
- 特定商取引法 → ネット集客する場合に特定商取引法に基づく表記やクーリングオフの説明をしないといけない
- 会社法 → 会社の経営権を奪われないための知識。経営者が100%出資しない場合は必ず基礎知識を理解する
- 倒産法 → 経営難で自社が倒産する場合だけではなく、取引先の倒産時の対応も把握しておく
- 刑法 → 会社の過失のほか、経営者の個人的な過失によって刑事責任を追及された場合の対処法を認識しておく
- 不正競争防止法 → 他社の口コミの捏造、商標・ロゴを真似するなど
- 独占禁止法 → 過剰な囲い込みの禁止など
- 下請法 → 売掛金の支払いルールなどが法律で決まっている
- 特許法 → 特許権のあるものを無断使用してはならない
- 消費者契約法 → クーリングオフ、消費者に不利な契約の無効など
- 中小企業基本法 → 中小企業のみが受けられる優遇税制など
- その他地域の条例など → 地域によって深夜営業の禁止などルールが異なる
このほかにも業種によって必要な法律をしっかり抑えておくようにしましょう。
一部では特定の企業規模や職種にしか適用されないものもありますが、大半のケースで経営者は10種以上の法律の知識を持っておく必要があります。
全部の法律をマスターする必要はなく、最低限の基礎知識を認識し、不安なことがあれば各分野の専門家に相談するようにしましょう。
経営者なら必ず知っておきたい法律のポイントと失敗しやすい事例を抜粋して紹介します。
決算による税申告は要注意
法人は税金が高く、消費税の非課税期間など設立当初は優遇されることが多く、売上が増すにつれて税務署の目が厳しくなります。
売上が上がった時点でどのくらいの税金がかかるのか認識し、税申告は適切にするようにしましょう。
ビジネスは成長しているのに税申告が不適切で追徴課税を受けた結果、倒産してしまう事例が多数あります。
インターネットの普及で消費者の知識が向上している
経営者や起業を目指す方以上に消費者や顧客は不満を抱いた時に法律のことをインターネットで詳しく調べています。
弁護士が回答する掲示板サービスもあるため、民法など法律で不利な条件を顧客に提示すた際にクレームや訴訟を起こされるリスクが高まっています。
法的に不利な環境を作らないためにも、経営者は今まで以上にコンプライアンス遵守を徹底しましょう。
労働基準法違反が厳しくなっている
労働基準法によって従業員の勤務時間や残業時間の範囲が制限されています。
以前はタイムカードを切ってサービス残業させる行為が当たり前のように行われてきましたが、年々こうした長時間労働に対する規制が厳しくなっています。
未だに誤魔化しながらブラック体質の会社経営を続けている事例もありますが、経営者は労働基準法違反をせずにビジネスを成立させる環境を作るように努めるべきです。
法律を理解して無駄な損失を抑える
中小企業基本法や下請法などを理解していなくても罰則を受けることはありませんが、受けられる優遇制度や支払いルールが適用されずに損失を出す恐れがあります。
法律は経営者にとってプラスになることも多いので、リスク回避だけではなく会社に取って有益な法律を理解して、受けられる権利や優遇制度を取りこぼさないようにしましょう。